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はじめに anchor.png

三角刃火箸型手裏剣」の応用編として、同じ材料を使い、4面を削りあげて刃をつける平刃の手裏剣の製作方法をご紹介します。
やすりがけの工程以外は、三角刃火箸型手裏剣とまったく同様の作業で、注意点も同じです。
三角刃火箸型手裏剣の手引きを読まれている方は、やすりがけの工程以外は飛ばしてお読みください。
なお、平刃の手裏剣は殺傷力が大きくなりますので、取り扱いには充分ご注意ください。

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用意するもの anchor.png

下記の材料や道具類は、ホームセンターで入手が可能です。
なお、価格についてはあくまでも目安です。
小売店やメーカーによっては大きく異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

●手裏剣の材料
商品名 : 「ビット No.GM142200 刃先+ 2×200mm(製造 株式会社ベツセル)」
……電動ドライバーの先軸で2本1セットが¥810です。ホームセンターによってあつかっている商品がちがいます。その場合は、同様のものが別会社からも出ていますので、そちらをご利用ください。

●使用する道具

プライヤ焼き戻し焼き入れなどの際に鋼材をつかむのに使用¥3,000程度
家庭用(台所)ガスコンロ焼き戻し焼入れに使用¥-
鉄工ヤスリ 荒目刃を削りだすのに使用¥1,000程度
シャープニングガイド(同)¥1,000程度
ワイヤブラシヤスリの鉄クズをはらうのに使用¥500程度
アンピル鍛造で金槌を打つ際に下敷として使用¥3,500
金槌鍛造に使用¥1,500程度
コップ焼き入れとコーティングの際の冷却水入れに使用¥100程度
ガンブルーコーティングの塗布剤として使用¥1,600程度
スチールウールコーティングの際の研磨に使用¥100程度
コーティングでガンブルーを鋼材に塗布するのに使用¥100程度
箱ティッシュコーティングで水をふきとる際に使用¥250程度
バケツヤスリがけででた鉄クズをすてたり、冷却水をくんでおくのに使用¥500程度
サンドペーパー焼き入れ後の研磨に使用¥500程度
ダイヤモンド砥石尖端を尖らせる場合に使用¥3,000程度
金切ノコ鋼材尻部の不要部分を切り落とすのに使用¥1,500程度
木板焼き戻しした手裏剣を置く下敷きやヤスリがけの高さ調節に使用¥-
軍手手の保護に使用12双¥350程度
ゴム手袋ガンブルーの塗布に使用¥100程度
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工程 anchor.png

全工程の所要時間は4時間50分程度(慣れれば2時間程度になります)

  1. 焼きなまし
    ポイント:鉄がオレンジ色になるまで加熱する
  2. ヤスリがけ
    ポイント:シャープニングガイドを活用してヤスリをかける
  3. 鍛造 
    ポイント:刃先は思い切ってまんべんなくたたきつぶす
  4. 焼き入れ焼き戻し
    ポイント:冷却水へ入れるのと冷却水から引きあげるのは一気に
  5. コーテイング加工
    ポイント:塗布剤を使用する前にビット(鋼材)は氷水につけて冷やしておく
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作業説明 anchor.png

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焼きなまし anchor.png

… 所要時間=30分程度

(あらまし)
手裏剣の材料は、市販されている電動ドライバーの軸やタガネといった工具を用いると便利です。
今回は電動ドライバーの軸を鋼材にしますが、そのままでは硬すぎてヤスリがけができませんので、高温で熱して鉄の硬度をさげる必要があります。
この作業を、焼きなましといいます。

(使用する道具 )
プライヤ、家庭用ガスコンロ、木板、軍手

●手順
手に軍手をはめて、プライヤ(ペンチややっとこに似た形の工具)でビット(電動ドライバーの軸)の端をしっかりとつかみ、逆端から真ん中くらいまでをガスコンロで熱します。暗い赤色から黄色がかったオレンジになるまでよく焼いたら、今度は逆端をプライヤでつかみ、同じように熱します。加熱時間は季節によって変わりますが、片側で3分から5分程度でしょう。
充分焼けたら火から外して少し冷まして、木板の上などに置き(焼けた鉄が当たった場所がこげるため、少々煙がでますので注意してください)、鉄が自然と冷めるまで待ちます。木板限定ではなく、鉄製の灰皿や口の広い空き缶など、安定して置けるものなら漬物石の上でもかまいません。待ち時間も季節によってことなりますが、だいたい10分程度です。
この焼きなましによって、ビット表面の黄金色のコーティングがとれた状態にします。

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やすりがけ anchor.png

…… 所要時間 = 3時間程度

(あらまし)
シャープニングガイドに固定したビットをヤスリにこすりつけて、手裏剣の形に削り出していきます。
力のいるたいへんな作業で、この工程だけで2時間から3時間くらいはかかります。
人によってはこの作業を2日に分けて行うと、負担が少なく丁度いいでしょう。

(使用する道具 )
鉄工ヤスリ(荒目)、シャープニングガイド、木板、ワイヤブラシ、バケツ、軍手

●手順
シャープニングガイドは、本来カンナや砥石にかけるのに使う道具ですが、一定の角度を保持しておこなうヤスリがけにも重宝です。
さて、断面が六角形のビットの1角(1頂点)が真上にくるように、シャープニングガイドへ固定します。その際、ビットの尻部(削るのと逆端の先)がシャープニングガイドの外端ギリギリにくるようにセットしてください。シャープニングガイドのネジは、プライヤなどでしっかりとしめあげます。
ヤスリは1.5cm程度の厚さの木板に置き、ヤスリの取っ手の端を壁などに当てて固定して、ズレないようにセットしてください。
そうしたら、ビットをヤスリに押しつけて、シャープニングガイドのローラーを転がしながらこすって削ります(ローラーを手前に引き戻す時は力を抜いてください)。
ひたすら削り続けて、ビットのボール溝の5mm上まで刃がついたら(あるいはヤスリのかかった面が親指の長さくらいになったら)、ビットの削る面をかえましょう。
削った面の頂点(角)のとなりにある頂点が真上にくるように固定し(今回もビットの尻部はシャープニングガイドの外端ギリギリにくるようにセットする)、同じように削り出していきます。
それが終わったら、今度は削った面の頂点の2つとなりにある頂点を真上にセットして削り出し、それが終わったら、そのとなりの頂点が真上にくるように固定して削り出します。
最終的にビットの刃先の断面が菱形になるようにするのです。
一連の作業においては、手の保護のために必ず軍手をはめてください。
また、ヤスリにたまった鉄クズは、ワイヤブラシでこまめに取り払いましょう。その際鉄クズは、バケツに落とすと後で掃除が楽です。

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鍛造 anchor.png

……所要時間 = 20分程度
菱刃鍛造.jpg, SIZE:300x225(17.6KB)

(あらまし)
一旦できあがった刃先を強固に仕上げるために、金槌でたたきしめます。
この工程を鍛造といいます。
ビットの刃先からボール溝の5mm上くらいまでの間を綿密にたたき、たたきそこねた部分がなくなるまでつぶしていきます。
この鍛造では、せっかく整えた刃がボロボロにへこみ、刃先が欠けてしまうことすらあります。
しかし、チュウチョせずに丹念に刃先をつぶしてください。

(使用する道具)
金槌、アンピル、ヤスリ、ワイヤブラシ、バケツ、軍手

●手順
アンピルの上にピットを置き、ビットの刃先からボール溝の5mm上くらいまでの間を各面(3面とも)まんべんなくたたきつぶしてください。この作業では、ビットの押さえに充分注意しましょう。さもないと金槌でたたいた衝撃でビットがはねあがるので、たいへんに危険です。また非常に大きな音がでて近所迷惑にもなりますから、夜間の作業は控えた方が無難でしょう。
以上の鍛造作業が終わったら、ふたたびシャープニングガイドを使ったヤスリがけで、表面の凹凸をキレイに取り去ります。その際は、ヤスリの下に敷く1.5cm程度の厚さの木板をシャープニングガイドの下にも敷いて、前回のヤスリがけとは少し角度をかえて削りあげてください。
刃先からボール溝の5mm上くらいまでの間(鍛造した部分)を削りあげます。

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焼き入れ焼き戻し anchor.png

…… 所要時間 = 30分程度

(あらまし)
最初の焼きなましによって硬度がさがっているビットを、再び元の硬さに戻します。
そのために再度ビットを熱して、高温になったビットを急激に水に入れることで鉄の組織を硬くします。
この工程を焼き入れといいます。
ただし、焼入れした鉄はガラスのように割れやすい硬さになっていますから、ある程度の衝撃にたえられる強さを出すように焼き戻しという作業もおこないます。

(使用する道具)
プライヤ、家庭用ガスコンロ、コップ(水の入ったもの)、スチールウール、洗剤、木板、軍手

●手順
焼き入れ焼き戻しの前に、洗剤をふくませたスチールウールを使って手の脂などを洗い落としておいてください。
焼入れは、ピットの尻部をプライヤでしっかりつかみ、刃側半分をオレンジ色になるまでガスコンロで熱します。この時、薄い切先は火がとおりやすいので、切先に火をあてるのは最後にしましょう。
ビットが焼けたら、ガスコンロの火はそのままにして、焼けた部分の半分までを水の入ったコップに一気に突っ込みます。なお、水に入れる直前は、剣先の焼き色に黄色が混ざるまで加熱しておいてください。水につかっている部分はもちろん、水からでている真ん中までの焼けた部分の赤い色が消えて黒く変わった瞬間に(この間は10秒もかからないでしょう)水から引きあげ、先端から5cmくらいのところを、再びガスコンロでオレンジ色になるまで熱します。この再加熱を、焼き戻しといいます。
熱したビットを水に入れるのと、水から引きあげるのは一気におこなうべきで、水から引きあげたものを再度入れ直したりはしないでください。
火から外したら、少し冷まして木板などの上に置き、鉄が自然と冷めるのを待ちます。

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コーテイング加工 anchor.png

…… 所要時間 = 30分程度

(あらまし)
焼入れ焼き戻しでただれたピットの表面をサンドペーパーでみがき、不要となった剣先と逆端のドライバー先は、金切ノコで切り落とします。
仕上げにガンブルーという液剤を使って表面を酸化皮膜で覆います。
これにより、防サビ効果を持った黒光りのする質感ただよう剣が完成します。

(使用する道具)
サンドペーパー、金切ノコ、筆、スチールウール、洗剤、コップ、氷、ゴム手袋、箱ティッシュ

●手順
焼入れ焼き戻したビットが充分冷めたら、ビット全体に鉄色が戻るまでサンドペーパーで表面をみがきます。
サンドペーパーがけが終わったら、不要となった剣先と逆端のドライバー先を、金切ノコで切り落とします。ボール溝にそって切断してください。その際は、万力でビットを固定することをおすすめします。ビットをしっかりと押さえて作業しないと、金切ノコの刃が折れ飛んだりするので危険です。切り落としたら、切断面もサンドペーパーをかけて表面をみがきます。
一連の作業後、ガンブルーの塗布に入る前に、洗剤をふくませたスチールウールでビットを洗います。その後、氷水の入ったコップにビットを入れてよく冷やしてください。ビットを冷やすのは、ガンブルーの付着をスムーズにするためです。
ビットが冷えたらティッシュで水をよくふきとり、筆にひたしたガンブルーをビット全体に塗っていきます。ガンブルーは劇薬ですので、肌の弱い人はゴム手袋をはめて作業するといいでしょう。
ガンブルーを塗り終えたら、また少しの間ビットを氷水の入ったコップにつけます。氷水からビットを引きあげたら、洗剤をふくませていないスチールウールで軽くみがき、みがき終わったらティッシュで水をふきとります。
そうしてまたガンブルーを塗り、同じ作業をくりかえします。合計3回、同じ作業をくりかえしたら完成です。

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手裏剣の手入れ anchor.png

ガンブルーによるコーティング加工をしていますので、サビには強くなっていますが、使用後は洗剤で手脂を落とし、椿油などを塗ってペンケース類に保管しておくといいでしょう。

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補足 anchor.png

荒目のヤスリで削りだすため、刃先をチクリとするほどするどくはできません。仕あげに砥石を使った方がキレイにできます。
砥石には、ダイヤモンド砥石<¥3,000程度>をおすすめしますが、普通の砥石でもできます。
しかし、普通の砥石だと溝のようなキズができてしまいますので、包丁などの他のものが砥げなくなるかもしれません。
百円均一ショップでも砥石は売っているので、それらを利用するのも手でしょう。
なお、砥石は表面に水をたらして使います。
ヤスリがけと同様の方法で、シャープニングガイドを使ってとぐと、失敗が少なくなります。

(by 山下知緒、監修・武屋正)



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Last-modified: 2008-11-30 (Sun) 23:16:30 (JST) (1266d) by yamashita